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2015.03.20

好きなことしかやらない、それが人生の鉄則

MOTORCYCLE MAN -オートバイのある人生- Vol.37 摺本好作[イラストレーター]④

mcman3-1これまで手がけた木工の作品が所狭しと並ぶ工房。乗り物をモチーフにした手作り玩具など、いずれも摺本さんの人柄をしのばせる温かみのあるものばかり。

人は好きなものに対して驚くほどパワーが出る

 こうして、長年に渡りバイクのイラストを描き続けてきた摺本さんだが、じつは7年ほど前に一度、イラストレーター引退を宣言している。30年以上続いた、バイク誌の長寿連載もストップ。視力と気力の衰えを感じたことが、その理由だった。
「もう、イラストレーターとしてはお終いだと思ってね。その後、友達から僕の絵をどうしても何らかの形で残したいから、イラストを描いてくれと頼まれた時も、ずっと描きたい対象が見つからなかったんです」
 しかしある日、友人に誘われて向かった鈴鹿サーキットのレースイベントで、気持ちが一変する。会場である車両を見かけた瞬間、「あのマシンを描きたい!」と強く思ったのだ。それは、88年にワイン・ガードナーがWGPを闘った、ロスマンズ・ホンダのNSR500だった。
「レーサーは勝つためだけに、職人さんが一晩で仕上げたりするでしょう。そういう迫力や勢いが凄く良くて。僕はもともとモノづくりをするから、職人さんの技術の跡、苦労の痕跡がなんとなく見えるんです。それを発見すると、やっぱり胸が熱くなる。その意味でも、昔の手作りのレーサーは凄くいいなぁと思ったらね、また絵が描けたんです(笑)」
 現在も、オールド・レーシングマシンを描くイラストシリーズの製作は続いている。全10作を目指し、現在は6作目までが完成済みだ。題材は、ヤマハ・RD56(65年)、YZR500(88年)など、当時を知るレースファンには馴染み深い車両ばかり。現在、東京の八重洲ブックセンターでは、このシリーズの「摺本好作オリジナル版画展」も開催されている(2月28日まで)。
「面白いのが、人間の力って回復するんですね。もう無理と諦めていたのが、描きたいと思えるモノを見つけたら、身体が順応したんですよ。人間の力って捨てたもんじゃない。好きなことをやるって強いです」
 そして摺本さんは、ある計画について嬉しそうに教えてくれた。80歳を迎える来年、再びR80GSで日本一周を考えているというのだ。
「さすがに一人は少し不安なので、友達も誘い込んでいる最中です。古いバイクだから故障が心配だしね。事前整備が必要だし、動けなくなった時のサポートも考えなくちゃいけない。大変だけど、目標があるとジムに行く気になるでしょ(笑)。結局、僕はバイクが好きなだけ。100歳まで乗るのが目標だし、好きなオートバイで走ることが面白い。その気持ちが、力の源なんです」

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profile
摺本好作/KOSAKU SURIMOTO
1936年三重県生まれ。大学浪人時代から模型工作の記事を雑誌に掲載。1958年からプラモデルの組み立て説明書を書き始め、多数のプラモデルメーカーの仕事を請け負う。1968年からバイクのイラストを描き始め、各バイク誌にイラストルポなどを掲載。バイクにまつわるスケッチ集も3冊出版する。2003年から群馬県渋川市に工房を構え、現在も木工作を中心にもの作りに取り組んでいる。

文/齋藤春子 写真/峯 竜也

→MOTORCYCLE MAN -オートバイのある人生- Vol.37 摺本好作[イラストレーター]①

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