いま世界でイチバン面白いレースはMoto3だ!
世界最速の男、マルク・マルケスの欠場が続き、若手ライダーたちが活躍している
MotoGPもオモシロいけれど、やっぱり日本人の活躍が見たい!
そんなワガママなライダーは、Moto3クラスに刮目せよ!
文/高梨達徳(Moto NAVI) 写真/PSP/Lukasz Swiderek(FIM)
2013年にオートバイレースの最高峰クラスに参戦し、6度のワールドチャンピオンを獲得している絶対王者、マルク・マルケスが負傷のため欠場している2020年のMotoGP。ヤマハのファビオ・クアルタラロやKTMのブラッド・ビンダーなど、若手ライダーが台頭し、熾烈な争いを繰り広げている。40歳を過ぎてもなお、一線で活躍するレジェンド、ヴァレンティーノ・ロッシも2017年のオランダグランプリ以来の優勝を虎視眈々と狙っている……。
っというのが、今年のFIMロードレース世界選手権のトップカテゴリーであるMotoGPクラスの展望です。近年まれにみる混戦も混戦なので、どのレースもかなりのヒートアップ! とても見応えのあるシーズンが続いています。ただ、ちょっと物足りなく感じるのは、日本人の活躍が少ないからなのか……。中上貴晶選手も昨シーズンのマシンで健闘しているものの、あと一歩表彰台に届いておりません。(それでもホンダの中では、ランキングトップの9位<2020年9月15日現在>に付けているのは凄い!)
しかし、日本人がトップ争いをして、表彰台でシャンパンファイトしているのが見たい! そんなアナタにオススメなのが、Moto3クラスです。1949年に始まったロードレース世界選手権の中でも一番歴史のある125ccクラスが、4ストローク250ccのMoto3クラスになったのは、2012年のこと。その昔はベテランの参戦も多く、いぶし銀なライダーたちが渋い争いをしていましたが、現在では年齢制限があり、新規参入だと16〜25歳まで。継続参戦は28歳までととても厳しく定められていて、若手の登竜門的なクラスとなっています。年齢層が若いためかレース展開も激しく、転倒や接触も多く見応えがあるもの特徴のひとつ。そんなカテゴリーに、今シーズンはなんと6人もの日本人ライダーがエントリーしていまして、トップカテゴリーをめざして活躍しています。
その中でも、小椋藍選手と鈴木竜生選手は要注目のライダーです。先日行われたサンマリノGPでは最後までトップ争いを繰り広げ、2人とも表彰台を獲得。日本人が2人並ぶのは2001年以来の快挙でした。
ゼッケン79番ホンダ・チームアジアが小椋選手(左)、ゼッケン24番SIC58・スクアドラ・コルセの鈴木選手(右)
。小椋選手は1度のポールポジションを獲得と、トップでのチェッカーはまだありませんが5度の表彰台を獲得してランキングは2位。鈴木選手は今シーズン3度のポールポジションと1度のトップチェッカーを獲得してランキングは4位と大活躍。2人ともシーズンチャンピオンを狙える位置にいます。
サンマリノGPで2位入賞の小椋選手(左)と鈴木選手(右)
まだまだシーズンも折り返したばかりなので、國井勇輝選手、佐々木歩夢選手、鳥羽海渡選手、山中琉聖選手の4選手にも頑張ってもらいたいところ! 9月20日開催予定の次戦「エミリアGP」も要チェックですよ!