風とともにあるアイウェア
埼玉県川越市の老舗メガネ店、カニヤがライダー向けのオリジナルメガネフレームをリリース。
シンプルなデザイン、コンセプトに掲げた“風”……。
「風人」と名付けられたアイウェアについて、その美しい佇まいが生まれた理由を探る。
文/日越翔太(Moto NAVI) 写真/小野広幸
風とともに走ることは、バイクに乗る喜びを増幅させる反面、その風圧で快適なライディングを阻害することもある。つまり、バイクと風は切っても切れない関係であることは明白で、それはライダーなら誰もが知る事実だ。
そんな風を表す記号をフレームに配したメガネがある。その名は「風人(ふうと)」。「小江戸」と称される埼玉県川越市にある老舗メガネ店、「カニヤ」が手がけたライダー向けのオリジナルモデルで、風をコンセプトに掲げながら、1970年代あたりの製品を思わせる落ち着いたデザインにまとめられている。
そもそもカニヤがオリジナルメガネをリリースするのは初めてではなく、これまでにヘルメットとともに着用することに特化したチタン製モデルを2つ、世に送り出した。一方で風人は一般的なメガネと同じアセテート製だが、職人の手仕事で極限まで肉を削ぎ落し、見た目とは裏腹の軽い掛け心地を実現している。機能は必要十分なレベルで割り切り、デザイン性と使い勝手を徹底的に追求。その結果がこのこの佇まいを育んだといえよう。
風は必ずしもどこからか吹いてくるものではない。歩き出した瞬間、スロットルを開けた瞬間、身にまとう空気は風に姿を変える。そう考えると、人は風を受けて生きるのではないとわかる。風とともに生きているのだ。この風人というアイウェアのように。
最も心地よいとされる風速2mを表す記号をロゴとして採用する。
ヘルメットと干渉する際はテンプルの先端をカットして調節可。
右側のテンプル(つる)の内側には「風人」の文字が配される。
アセテート製には珍しく、独立したノーズパッドが使用される。
ライポジに合わせて調整が可能なスライドパッドはオプション。
前傾がキツいバイクであっても視界に問題を生じないのが特長。
カニヤ スポーツグラス セレクション
スポーツグラス、スポーツアイウェアを中心に扱っており、プロロードレーサーの佐野淳哉選手をサポートするなど、販売はもちろん、高い技術に裏打ちされたサービスのきめ細やかさに定評がある。また、同店オリジナルのライダー向けサングラス、「バイカーズ・ツインチタニウム」「バイカーズ・トリプルチタニウム」は一般のライダーはもちろん、レーサーや航空機パイロットなどからも評価が高い。なお、現在は店鋪建て替え工事のため、2021年春までは近隣の仮店舗にて営業している。
※仮店舗住所(21年春まで)埼玉県川越市石原町1-18-3 もっこ館カフェテラス内
営業時間10:00~19:00 水曜および第3火曜定休
電話049-222-0509 公式サイト