MOTORCYCLE

レゴ ブロックのBMW M 1000 RR、作ってみた #1

プラモデル好きだけどレゴ® ブロックにはあまり馴染みがなかったモトナビ編集長が、
約2000ピースあるM 1000 RR作りに挑戦! まずはエンジンの組み立てからスタート!

文と写真/日越翔太(Moto NAVI編集長)

レゴ®ブロックとバイクと私

幼少期にブロック遊びは好きだったものの、買い与えられたものが他社製だったので、レゴ ブロックにはとんと縁のない人生を送ってきた筆者こと、モトナビ編集長のヒゴシ。最初で最後のレゴ ブロック体験は、それこそ1年ほど前、たまたまネットで見かけたレゴ®ボタニカルコレクションの「フラワーブーケ」を購入し、作ったのみ。

そんな筆者にとってのレゴ ブロックの印象は、子供のおもちゃと考えれば価格は安くないが、大人の趣味もしくはインテリアグッズとしては上々といったもの。ブロック同士の接合はとても良好だし、出来栄えも申し分ない。

それもあって、なんとなく気にかけていたなか、先日またも偶然見つけたのが、このレゴ®テクニック BMW M 1000 RRだった。

BMW M 1000 RRなんてイカれたバイク(褒め言葉)、実車を所有しているわけないし、バイク雑誌の編集を仕事にしておきながら機会がなく乗ったこともない。ましてやレゴ ブロックにもあまり馴染みがない。そんな筆者なのに物欲センサーがビンビンに働いてしまったのは、おもちゃ好きバイク乗りのサガか……。

というわけで、前置きが長くなってしまったが、レゴ®テクニック BMW M 1000 RRが気になっているレゴ ブロックファンやBMWファン、そして全バイク好きのために、バイク好き、プラモデル好きの筆者が実際に組み立ててレビューしようと思う。

 

大きいことはいいことだ!

改めて箱から見てみよう。写真だとわかりづらいが、箱はかなり大きい。筆者の計測でタテ約37.5cm ✕ ヨコ約58cm ✕ 高さ約10cmほど。単に大きいだけでなく、持ち上げると中身がプラスチックとはいえ、重量感もある。
それもそのはず、完成すると全長は45cmにもなるのだという。さすがは1/5スケール。恐るべし……。

開封して驚いたのは、この大きな箱いっぱいにパーツ(ブロック?)が詰め込まれていること。そりゃこれだけ重くなるはずだ。ピース数は1920点という途方もないもの。よく作るガンプラ(筆者はMG派)だとパーツ数が3ケタ後半なので、こっちが倍近く多い。これは大変、でもやりがいがありそうだ。

ちなみに一般的なプラモデルの場合、パーツはランナーと呼ばれる枠にくっついていて、そこからニッパー等で切り出していくが、レゴの場合は当然ながらランナーは存在せず、部位ごとに数字が振ってある袋で分けてある。

大きな袋にどっさり1920のパーツが入っていると思っていたので、これはわかりやすい。逆に1920パーツが一袋にまとめられていたら地獄の予感しかないが。とはいえ、同じ番号が振ってある袋が複数存在するので、

パーツ管理はしっかり行いたいところ。似た形状のパーツが多いので、こっちの袋とあっちの袋を行ったり来たりしてパーツを探すと時間を大きくロスしそうだ。あと、単純にこの袋をひっくり返して中身を床にぶちまけたら……と想像するだけで怖いもんね。

なお、マニュアルはとてもよく出来ており、日本語表記こそないが、3Dのイラストで細かく説明してあるので、英語が読めなくても何も問題ない。ただ、車両の成り立ちやレゴ ブロックのデザイナーによる解説などがあるので、英語が堪能ならより楽しめる、というところか。もちろん、わかりにくい箇所がまったくないわけではないが、そのような場合はポイントとなる箇所を赤い枠で囲うなど注意喚起してくれているので、(注意力散漫でなければ)そんなにつまずくことはなさそうだ。

 

エンジンってこういう仕組みなのね

さっそく組み立てスタート。マニュアルを読みながら、パチパチはめこんでいく。パーツひとつずつの精度が高く、何のストレスなく組める。クリック感が気持ちいい。

あっというまにかたちになっていくのはレゴ ブロックならでは。プラモデルだと素組みするにしても、ランナーからニッパーで切り出して、バリを取って、ヤスリ掛けて、接着して……などなどの行程があるが、ただただ組み立てる行程に集中し、楽しめるのがいいところ。あー、これはクセになるのがわかるわ、などと思っているうちに2時間くらいワープしているのが悪いところ。この時間が溶けていく感覚、雑誌の締め切り直前の過集中タイムみたいだ……。

写真を見ればわかるように、ディテールにはかなりこだわっていて、チェーンはまさかの一コマずつ組んでいくスタイル。その数まさかの62個だが、安心してほしい。ブロックなのでただひたすら組み合わせていくだけ。これがプラモデルだったらと考えると恐ろしい。ものの2分で組み上がった。レゴ ブロックサイコーじゃん!

なお、個人的に驚いたのはこのエンジンの精緻な駆動ギミック。レゴ ブロック好きには常識なのかもしれないが、ギアや輪ゴムを利用することで、実際のエンジンのようにピストンに連動してギアが回転し、チェーンが回る。楽しくなって、深夜にくるくる回し続けたのは言うまでもない。

そしてついに、「1」の番号が振られたパーツ群を組み上がり、エンジン部分が完成した。

エンジンのヘッド部にはクリアパーツが使われていて、ピストンの動きがよく見える。なんだか生き物みたいでとても愛おしい。なお、ここまでの所要時間は約3時間15分ほど。これがいいペースなのか否かわからないが、体感としてはすこぶる順調に感じた。

制作中、迷ったり行き詰まるところはとくになかったが、単純にパーツを重ねていくのではなく、上下左右で挟んだり、差し込んだりして組んでいくので、パーツの付け忘れや接続位置の間違いに気づかず作業を進めると、行程をそのままさかのぼってバラさないとアクセスできなくなるだろうなとは思った。なのでマニュアルや使用するパーツをしっかり確認すること。組み立てに必要なのは技術ではなく集中力。それがいちばん大事だろう。

というわけで次回は、「2」の番号が振られたパーツを組み、フレームを組む予定。お楽しみに!

レゴ ブロック オフィシャルサイト
www.lego.com/ja-jp

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著者紹介
日越翔太(Moto NAVI編集長)
バイク雑誌「Moto NAVI(モトナビ)」の編集長を務めるかたわら、ホンダの広報サイト「ホンダマガジン(www.honda.co.jp/magazine/)」にも携わる。趣味はバイク(仕事?)と散歩。それからプラモデルやインテリア小物を作ること。