MOTORCYCLE

ドイツがCBに染まった日

2019年に誕生から50年を迎えたホンダCB750 Four。国産初の4気筒大型バイクは、
今なお日本のみならず世界中で愛されている。
それを証明するように、遠くドイツの地では記念式典が行われていた。

文/高梨達徳(Moto NAVI) 写真/本田技研工業

1969年にホンダが発売したCB750 Fourは、世界の各メーカーが大排気量のオートバイを市場に投入しているなか、世界戦略車として開発したモデルだ。最高出力67psを発揮するエンジンは、市販モデル初の最高時速200km/hを公称。いわゆる“ナナハン”ブームの火付け役と言えるホンダのフラッグシップモデルとして、日本国内だけではなく海外でも多くのライダーに愛され続けているモデルだ。
2020年は新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から開催延期となったが、日本では毎年CBオーナーズミーティングがツインリンクもてぎや鈴鹿サーキットなどで開催され、日本全国からCBファンが集結している。

では、海外ではどんなイベントが開催されていたのだろうか? 北米やヨーロッパ各国で大小さまざまなオーナーズミーティングが開かれているが、中でも一番盛大だったのは、2019年にドイツ・シュツットガルト地方で開催されたGlemseck 101での「CB750 Four 50周年記念式典」だ。

Glemseck 101は、1950年代にWGPのドイツグランプリが開催されていた公道サーキット/ソリチュードサーキットの一部を使用したカフェレーサーイベントで、1/8マイルのドラックレースをメインに、さまざまな催しが行われている。レストラン&ホテル「Glemseck」を中心に公道を数kmにわたって封鎖した会場は、アパレルやバイクパーツのブースだけでなく、世界各国のオートバイメーカーも数多く出展している。
その最大の特徴は、主催者自ら「欧州最大のバイクイベント」と胸を張るほど多種多様なカスタムバイクが集まり、展示されていること。レースに出場する車両だけではなく、会場内には世界中のビルダーが手掛けた至高の逸品が並んでいる。

CBに話を戻そう。CB750 Fourの発売当時に人気を博したキャンディーゴールドの車両展示を始め、ミュンヘンのカスタムビルダー、custom house Motoismが手掛けた「Starrider customized CB750」は、世界中から注目を集めた。

また、50周年に合わせてをドイツ国内のディーラーがカスタムを手掛けた最新モデル「CB1000R」のネット投票が行われ、シュトゥットガルトのKummich Hondaが手掛けた「モノポスト」が優勝に輝いた。

ネット投票で1位を獲得したKummich Hondaの「モノポスト」

左はBuselmeier Honda 、右はFischer & Bohmが手掛けたCB1000 R

ほかにも、自身もレーサーとして活躍中するイタリアのビルダー、アレックス・ポリータが手掛けた「The Yokozuna」や、スイスのGannet DesignFuhrer Motoが共同で製作した「CB1000 R-adical」は、展示だけではなく1/8マイルレースにも出場。参加者を大いに盛り上げた。

左がThe Yokozuna、右がCB1000 R-adical

Glemseck 101も多くのイベントと同様、コロナの影響で2020年は中止となり、2021年の開催を待つことになった。主催者側は気持ちを切り替えて、来年の開催に向け動き始めている。もしかすると、市販化が噂されている「CB Fコンセプト」が来年この会場に花を添えるのかもしれない。