北のボ日記 #13「……そうか、冷えてないんだ!」
クルマ好きなら一度は試したことがある添加剤。
そこで今回は冷却水とエアコンのトラブルを回避すべく、
ワコーズの力を借りることに――。果たしてどうなる!?
文と写真/淺川覚一朗
「メーターのとこの赤いランプはアカンやつなんだよね?」
「警告灯?」
「冷却水が足りないとか何とか出てきたよ」
曰く「レイキャクスイレベル テイカ ホジュウシテクダサイ」
──どうして僕が運転していないときばかり、トラブルが起こるのですか、サンタマリア。
果たしてこれは「減った」のか、それとも「漏れた」のか? これはどうしたって「こわい考え」になってしまう。
とりあえず、這いつくばって地面とエンジンルームの下を眺める。水たまりも水滴もない。次はボンネットを開ける。リザーバータンクの「MIN(最低限)」のラインはギリギリだけれど超えている。
とりあえず、ダダ漏れはしていない──ありがとう、サンタマリア。
そして、エンジンを再始動してみる。メッセージも警告灯も出てこない。ということは、ひとまず大惨事ではなかったようだ。可能性としては、欧州車的に正しく減っていたのだろうし、水温が高くなってリザーブからの弁が開いたタイミングで、水量がMINを下回り、警告灯がシビアに反応したのかもしれない。念のため、サクションポンプで少量のクーラントを抜いてみたけれど、目立った劣化や、錆やゴミは見当たらない。
ともあれ、前の車検では変えていなかった冷却水は、次の車検(来年)では要交換かと思っていたので、ここはリリーフというか中継ぎ的にワコーズの「クーラントブースター(冷却水性能復活剤)」を入れてみることにした。
ストレートタイプの冷却水を少量買うのと、コストもそう変わらず、これで次の車検までの安心が少し増したと思えば安い話だと思う。
そしてワコーズといえば、気になっている添加剤がもうひとつ。それも、エンジンやミッションではなく、エアコンで。
我がボルボ S80は、走っていると(走っていなくても)様々な音が不調や経年劣化といった“主張”をしてくるにしても、とりわけ五月蠅いのがエアコンで、コンプレッサーがウンウンと唸り声をずーっと上げている。そこで、作動音を小さくしてくれるというワコーズの「パワーエアコン プラス」が気になっていた。当然DIYができないタイプの作業だけれど、近所の量販店では見たことが無い……こういうときは、とにかくワコーズに電話してしまおう(この連載、結構ローテクでしょう?)
すると、営業氏が真っ先に名前を挙げてくれたのが「ピットオフ岩見沢店」だった。
店頭には「WAKO’S TECHNICAL SHOP」のボード、
ワコーズのRECS(エンジン内部洗浄)にも豊富な施工例を持つなど、ワコーズの青いメタリックの缶の扱いは手慣れたものだった。そして、よくよく聞いてみると、この「パワーエアコン プラス」
は、単に注入するだけでなく、車体の中の冷媒を専用の機械
で抜き、計量してクリーニングし、足りない分(抜けていた分)と、この添加剤を合わせて車体に戻す、という結構複雑な作業が必要なものだった。
「目一杯冷やしても出てくる風は25℃ですね。フロンガス結構抜けてますよ」
そんなふうに、今回も色々残念だったS80は、欧州車的にただしくフロンの出口が見つからず、
資料に当たってもらう一幕がありつつも、作業は順調に進み、
最後に「ガス、4割くらいしか残ってませんでした」という宣告を受けて落ち込んだりもしたけれど、ほら! 12℃前後まで
冷えるようになった! そして、コンプレッサーの唸り声も、すっかりおとなしくなったわけです。
そんな話を秋になってからするなと思うでしょう? でも、冷えない(除湿のできない)エアコンが怖いのはこれからなんです。だって、窓の曇りを取りたくても「加湿運転」になっちゃうんですから!
そして今回の〆は、ガラスコーティングのその後です。
この画像では、いかにもな感じでバチバチ撥水してますが、これは、親水コートのガラス層の硬化には時間がかかるので、その間の保護をするための仮の層が仕事をしている状態です。というわけで、防弾ガラスばりの強度だという親水コート層の実力と活躍のレポートは、今後にご期待ください。とはいえ、雨の日の泥や、高速走行時の虫の死骸が付着しにくくなったりと、目に見えた効果が既に出てきているのは流石です。
ミカピカ札幌
s-hokusyo.com/coating/blog
著者紹介
淺川覚一朗
じつは旧「NAVI」当時から隅っこで描き続けている古株。「Moto NAVI」では「バリ伝」「ララバイ」のストーリーボードを書いたり、現在は書評「Moto Obi」を連載中。ライター稼業の一方で、北海道美唄市の「地域おこし協力隊」として業務委託を受け、同市の“役場の人”として街おこしに取り組んだり、観光情報を発信中。