MOTORCYCLE

人生が変わる(かもしれない)バイクセレクション #絶版車編1

このバイクを買えば人生が変わる(かもしれない)と思うに足る
チカラを秘めたバイクをMoto NAVIが独断と偏見でセレクトしてご紹介。

文/Moto NAVI

人生を変えるバイクなんてある?

発売中のMoto NAVI(モトナビ)2021年4月号(No.111)は、「変 CHANGE」と題して、バイクライフを、そして人生を変えたり、実際に影響を与えたアイテムを紹介している。
ただ、それを自分に置き換え、人生やバイクライフに影響を与えたものを思い浮かべると、やはり車両そのものに勝るものはない。……それを言っちゃあおしまいじゃない? というツッコミは我慢していただき、ここでは本誌が独断と偏見で選んだ人生を変えそうなバイクを、絶版車のなかから4台をセレクトし、紹介する。

ちょうどいいクラシック(カワサキ・エストレヤ)

お手頃価格のクラシック=ヤマハSR……だと定番すぎるので、外しすぎないくらいに外すと見えてくるのがこちらのカワサキ・エストレヤ。250cc単気筒のトコトコ感とクラシカルな装いがしっかり合致&マッチしていて、とても心地よい時間を過ごさせてくれる。

ロングセラーだっただけにタマ数は豊富で、値段もお手頃。車両の性格的に過激なカスタムや無謀な走りにさらされた車両は少なく、ノーマルのまま大切に乗られていたものが多いのもいい。これからライダーになるという人の初めての一台にも、もう大型バイクはお腹いっぱい、というライダーが終のバイクとして選んでも後悔しないだろう。中古相場は15~90万円程度。シートや足まわりの仕様が異なる「エストレヤRS」「エストレヤ カスタム」「エストレヤRS カスタム」などもあるのでチェック!

ビッグネイキッドに乗りたくなってきた(スズキGSF1200)

気がつけばホンダのCB1300シリーズを残すだけで、絶滅危惧種となってしまった国産4発のビッグネイキッド。ヤマハXJR1200/1300、カワサキZRX1100/1200/ダエグなどなど……。いずれも高い完成度を誇り、その大柄なボディに反して、とても乗りやすく、日本の道路事情に合うモデル群であった。

しかし一方でスズキのGSF1200は少し違った。GSX-R1100譲りのエンジンを低中速寄りに調教し直し、4000回転で最大トルクの9.8kgf・mを発揮する暴力的なエンジンを搭載。乗りやすさはキープしながらも、本気を出せばじゃじゃ馬という相反するキャラを高い次元で融合させた本機は、一部の愛好家に熱狂的に支持された。2007年のフルモデルチェンジで水冷4気筒エンジンに変更されるが、編集部がオススメするのはもちろん、1995年に発売された最初期型(油冷4気筒エンジン)。中古相場は20~70万円程度。

50万円で始めるクルーザー生活(ハーレーダビッドソン・ストリート750)

ハーレーダビッドソンの現行モデルで最も安価なモデルは、スポーツスターのアイアン883だ。そのお値段は139万円。思ったより安いかそうでないかはさておき、こりゃ中古車ならもっともっとお安く人生を変えられるんじゃない? そう思った編集部は、中古ハーレーの相場を調べてみた。そして思わず目を疑う。そこにあったのは、50万円そこそこのプライスタグがついたストリート750だった。

2020年、つまり昨年まで生産されていたストリート750は、水冷のVツインエンジンを採用したミドルクラスのクルーザーモデルだ。まぎれもないハーレーではあるが、いわゆる「ハーレーなるもの」を欲しているライダーにはピンと来ないかもしれない、というのがこのバイクのミソ。大きくて重く、シルバーのパーツが輝くあの感じがここにはまったくなく、クルーザーとしてはコンパクトなボディに黒一色のエンジンが鎮座する姿は、その名のとおりストリートの雰囲気を漂わす。ハーレーとしてのパンチには欠けるが、バイクとしての出来はいい。街乗りはもちろん、ツーリングだって気持ちよくこなす。名より実を取るタイプのライダーにぜひオススメしたい一台だ。中古車相場は50~90万円。

マニアックじゃない。知らないだけ(モト・グッツィV7II)

バイクで人生を変えたい。バイクライフを変えたい。そういうときに思い浮かべるバイクらしいバイクって、いったいどんなバイクだろう? 編集部が思うそのひとつの答えが、モト・グッツィのV7シリーズだ。同じ輸入車でもハーレーやBMW、ドゥカティなどと比べると、どうしてもマニアックな印象を持たれがちなモト・グッツィだが、乗ってみると案外そのハードルは低い。V7シリーズに至っては、その排気量のわりに重くもなく、大きくもなく、速くもない(褒め言葉)。バイクというものがむき出しの命を預けて乗る乗り物である以上、乗っていて怖くない、というのはとても大事なことだ。

虚飾は廃しながらも、縦置きVツインエンジンというアイコニックなエンジンはしっかり主張。乗って楽しく見て楽しい。縦置きはトルクリアクションに違和感を覚える? ネットでググるとそんな言説も確かにある。でも実際に乗れば、レースでもしないかぎりそんなものまったく気にならないとわかる。かえって信号待ちのいい暇つぶしになるくらいだ。モトナビ的には前モデルにあたるV7IIをオススメするが、もちろん後継モデルで現行車のV7IIIもあるのから、あとは予算との相談か。中古車相場は60~85万円程度。

その他、さまざまなバイクライフと人生を変えるあれこれを詰め込んだ本誌最新号(2021年4月号、No.111)は、現在全国の書店やアマゾンなどのネット書店にて発売中。そちらも合わせてお楽しみあれ!