MOTORCYCLE

40半ばのシェフがおんぼろバイクでサーキットを目指す件 #3<1/4>

なんとかエンジンのオーバーホールを終えた元・本誌編集部員であり現イタリアンシェフのトミヤマ。
XS-1の解体で涙を流していると突然救いの手が!
そしてエンジンとフレームがついに!

文/冨山晶行(トラットリア築地トミーナ) 写真/冨山晶行 アドバイザー/後藤 武 協力/新関律雄、池上浩平、新井洋一

ボルトひとつまともに外せないなんて。

まだまだXSがバイクのカタチになる気配がないまま、焦りを感じているトミヤマ。まったくバイクに興味のないマイ・ファミリーから、「サビの塊」や「白い粉の吹いた金属」をニヤニヤしながら愛でているオトーサンに「それ、本当にバイクなの?」と嫌悪感たっぷりの視線を注がれるのも無理のない話。先日はサビだらけのパーツを店のシンクでサビ取りの薬剤に漬け置きしたところ、翌朝店のスタッフにめっちゃ怒られました。サビているというだけで、ドリアンのような扱い。食べるとうまいのに。つまり、オーなーシェフなのに肩身が狭いってことです。
ボーっとしている暇はない、とゴトーさん。まずXS-1を解体し、フレームを綺麗にしてエンジンを載せないと、開幕戦に間に合わないぞ、と。猛暑の中、ゴトー監督のもと実家の倉庫 で解体ノック開始。しかし整備経験がピカピカの小学一年生のトミヤマ、1日中ゴトー監督に「ネジ、ボルト類を外すときにナメるな」と注意されっぱ なし。ボルトひとつまともにまわせない。しかも、工具も全く足りておらず、途中でホームセンターに買いに行く始末。エラーの連続で作業が止まる。 料理人修行時代を思い出してウルっときたのはナイショ。

XS-1を解体セヨ!

➀/ゴトーさんに「じゃあシート外して」と言われて、どこから? と返したのはナイショ。シートに触るたびにシリアルみたいなスポンジが宙に舞い、既に泣きそう。②/「え? タンクってこんなに簡単に外れちゃうの?」と内心ビビりつつ、バレないよう平静を装って外していく。綺麗にすれば売れるっていうけど本当かな?

 

③/フェンダーやテールライト、バッテリーケースと順調に外していくが、ゴトーさんから「外し方が悪くてボルトをナメてしまいそうだ」と注意が飛ぶ。 ④/エンジンマウントの一本が、いくらまわしても手応えがない。ゴトーさんの顔が暗くなる。「ボーリング屋さんに持ち込むかも」ってマジですか?

 

⑤/頭をぶっ叩きながらまわして何とか外れたボルト。ねじ山が無くなっているなんて、はじめて見た。他のも同じ状態かもしれないと思うとコワイわ。 ⑥/ウン十年ぶりにフレームと離れたエンジン。なんとなく、お疲れさまでしたと言いたくなる。そのうち綺麗にして、ヤフオクで資金繰りだ!

 

⑦/暑さと重さと、工具が足りないという準備不足に加え、ボルトひとつ満足に外せない自分の情けなさに打ちひしがれる。 ⑧/ふたたび「ヘッドライトのなかってスパゲッティみたいなのね」と思いつつ、悟られないように平静を装いながらギボシを外す。

 

⑨/錆びた極太のボルトをインパクトレンチでステムから外すとフロントまわりが外れた。潤滑が失われたおかげで見た目よりはるかに重い。 ⑩/ヤフオクで入手した2003年製のSR400(RH01J)のフロントフォーク。事前の情報ではステム径と長さが同じでスポッとハマるはず…….。

 

⑪SRのフロントフォークはこのまま使えそう。「フレームも錆が少なくていい状態じゃないか」と、ゴトーさんは言うが、自分にはサビだらけにしか見えない。確かに腐ってはいないけど……。とにかくどっと疲れた。

汗と涙と加齢臭にまみれて解体したフレームは、ゴトーさん曰く「結構状態がイイ」らしい。そう言われると、さっきまでサビサビに見えたものが 俄然輝いて見えるから単純極まりない。「これだけ状態が良ければ、後期型の頑丈なフレームに交換してくれる人がいるかも」というゴトーさん の提案を丸呑みして、さっそくヤフオクに出品してみた。

次回は「新関選手とスポークを張りなおす」です。
お楽しみに!