40半ばのシェフがおんぼろバイクでサーキットを目指す件 #8
フレーム交換も果たし、
全ての運を使い切ったかに見えたトミヤマだが……?
そして今回ついに、エンジンとフレームが合体する!
文/冨山晶行(トラットリア築地トミーナ) 写真/冨山晶行 アドバイザー/後藤 武 協力/新関律雄、池上浩平、新井洋一(順不同、敬称略)
脳内がサンダーバードのテーマソングでいっぱい!
※前回までの流れはこちらでチェック
40半ばのシェフがおんぼろバイクでサーキットを目指す件 #7
再び図々しくも新井洋一選手にお願いして、新井さんのガレージでフレームと足まわり、エンジンを仮組みさせていただくことに。しかし、すんなりいかないのがトミヤマ流。ガレージに伺う当日の早朝、トランポの初代ホンダ・ステップワゴンで川越街道を走行中、突然オルタネーターがパンク。朝の7時に片側3車線の真ん中で立ち往生し、クラクションを浴びるほど食らうことに。半ベソかきながら、結局警察とJAFのお世話になってトランポを実家の倉庫に運んでもらい、会社の営業車をまわしてフレームと足まわりのパーツを詰め込んで何とかやりすごしたけど、トラブルがない日ってないのかな?
新井さんのガレージに着いたころには、すでにふた仕事くらい終えたような気分だったが、気合を入れなおして作業開始。まずはスイングアームにベアリング装着して、フレームに取り付けるところからはじめた。PAMS製のZ1000用のスイングアームベアリングのインナーチューブを切り詰めて加工。加工は新井さんに甘えて事前にやっていただいた。
フロントサスペンションをステムごとフレームに取り付けると、何かがおかしい。ステムシャフトの長さが微妙に足りないので取り付けボルトが付かないのだ。解体時には問題なさそうに見えたが、よく考えればあれは旧フレームだったので、寸法が違うのかも。新井さんのマシンを参考に、Z250R(29L)のステムを手配する。1歩進んで2歩下がる。振り出しに戻らないだけマシか。しかし、同じようなミスをリアアクスルシャフトでやってしまった。YSSのリアサスペンションを取り付け、タイヤとホイールを取り付ける段階になって、旧フレームの短いアクスルシャフトを持ってきてしまったことに気が付いた。転がすために新井さんから後期型のアクスルシャフトを借りることに。パーツ足りないマンでいつもすみません。
足まわりが付くと、フレームも一気にバイクらしく見えてきて気分がアガる。ついにエンジンとのドッキングだ。リフト付き台車に載せられてエンジンがやってくると、脳内でなぜかサンダーバードのテーマソングが流れる。わりと力業でジャッキの上にエンジンをのせ、マウントにボルトを通していく。うーん、やっとバイクらしくなってきました!
「でも、ここから細かい仕上げや塗装で結構大変ですよ。開幕戦に間に合うように、がんばりましょうね」と新井さん。いつもありがとうございます。
やった!バイクじゃん! これ!
……え!? またバラすの!? 新井さんのご子息(写真中央)にも手伝ってもらおうかな。
タイミングよくゴトーさんがシェビーバンで到着。このままゴトーさんの紹介で、茨城の謎の職人さんにステップなどの製作を頼みに行くことに。ただ、仕事を受けてくれないことで有名なんだとか……。まあ、今までも普通に卸してくれない蟹屋や農家、偏屈な果樹園とも付き合いあるし、作る料理がきちんと美味しければわかってくれるはず。あ、またシェフっぽいこと言っちゃいました。デュフフ。トミヤマ家の家業である東京、築地のイタリアン、「トラットリア築地トミーナ」をよろしくお願いします!