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北のボ日記 #6「カリフォルニアベイビー」と、北へ還れ!

シスコライスにやきとり弁当、それから
ザ・男爵プレミアムチップスにニセコチーズ工房にも行かないと……
そんな食い意地全開の道民ドライブの後編をお届け!

文と写真/淺川覚一朗

もうすぐ4月、道央自動車道を300km駆け抜けて辿り着いた北海道の南、函館。

前編では夜の函館蔦屋に出かけたりしましたが、それは、スタッドレスタイヤを履いているから「心配が無い」という話です。

この時期、街中は当然ドライ路面です、しかし、道の脇に雪が残っているとどうなるか? 融けた水が道路に流れると、朝晩の冷え込みで凍る可能性があります。

話を前編の高速道路に戻すと、山を削った道の路肩は斜面法面のことが多いので、雪融け水が流れているポイントは多いのです。春休みにレンタカーで北海道を旅行しようとするなら、朝晩の冷え込みは本当にご注意を。その“水”は「ブラックアイスバーン」かもしれません。

さて、函館という街は、それを見る、思う人次第で様々なイメージと結びつくものですが、例えば辻仁成でGLAYでYUKIな向きなら、ベイエリアの「カリフォルニアベイビー」の看板メニュー「シスコライス」でしょう。最近は首都圏のスーパーにも“インスパイア”メニューが並んでいたりしますが、これがまさに「B級グルメの王道」の逸品。函館がこんなに観光化される前から当たり前に食べていた筆者は「ツーリスティックな海鮮丼よりシスコライス!」と叫びたくなるわけです。

そして、この旅も後半の折り返しです。これまたGLAY的に有名になりすぎた「ハセガワストア」の本店で「やきとり弁当」を仕入れたら、次は北隣の七飯町に寄り道です。

一昨年、道南で35年ぶりに開業した日本酒の酒蔵「箱館醸造」の工場で、地元産&自家精米(!)の酒米「吟風」の特別純米酒を仕入れたりしつつ、帰り道を急ぎます。

あ、七飯を通るなら「道の駅なないろ・ななえ」に隣合っている、日本のジャガイモの始祖、川田男爵を記念した「THE DANSHAKU LOUNGE」の「ザ・男爵プレミアムチップス(ポテトフライ)」は外せないですよ。これはちょっと他所では食べられません。

さて、道央道の南の終点、大沼ICから再び高速クルージング、札幌方面ではなく、ニセコを目指します。そう、スキー場で有名なニセコですが、温泉場もまた豊富なのです。

長万部を過ぎてから黒松内JCT、同ICと進み、近い将来北海道新幹線と並行して走ることになる国道5号線を通り、まずはニセコ連山の麓の「ニセコチーズ工房」でお買い物。くどいけれど、ここまでの道は完全にドライです。でも、店内から外を見ると……「春? それって美味しいの?」状態なわけです。

そして、ニセコの山道、道道(北海“道”の道だから「道道」)65号線を登ります。途中の電光掲示板に「五色温泉通行可能」と目的地が表示されている(不可のタイミングもある)ことに安心しつつ、未除雪で通行止めになっている日本海側への分岐から、道道58号線に入ります。

さて、お待たせしました! ニセコ連山の奥座敷、イワオヌプリの頂を目の前にした「五色温泉旅館」の3月末の風景がこちらです!

本当にしつこいですけれど、道はドライなんです。しかし、未舗装の駐車場は、除雪していても真っ白! それが北海道の「春」です。それが暖気で融けて、日が落ちて凍るとザクザクの状態になるのですが、そうした路面を砕氷船のようにゴリゴリ進むのもまた、ミシュラン X-ICE SNOWの得意分野です。とはいえ、車高が低いFRだと不安になるくらいの有様でしたが、「安心してください、四駆ですよ(ちなみに、とにかく明るい安村さんは、北海道旭川市の出身です)」

北海道の3月、4月は、まだまだ雪がデフォルト、その感覚が少しは伝わったでしょうか?

それでは最後に、今年度の御用初めの4月1日の午前中、北海道美唄市の駐車場に30分ほど停めておいたボルボS80の雪化粧をご覧ください(BGMは「望郷じょんから」とかにしときます?)

バックナンバーはこちら
北のボ日記 #5「南へ走れ、ドライの道を!」

著者紹介
淺川覚一朗
じつは旧「NAVI」当時から隅っこで描き続けている古株。「Moto NAVI」では「バリ伝」「ララバイ」のストーリーボードを書いたり、現在は書評「Moto Obi」を連載中。ライター稼業の一方で、北海道美唄市の「地域おこし協力隊」として業務委託を受け、同市の“役場の人”として街おこしに取り組んだり、観光情報を発信中。