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北のボ日記 #8「オルタが死ぬ時! バッテリーは凍結する!」

電装系のトラブルが発生! しかし原因は不明。
さらにドアも閉まらなくなったりと、
相変わらず苦悩(ネタ?)は続くのであった――。

文と写真/淺川覚一朗

エンジンが動かない、電装系のトラブルなことはハッキリしている。あきらかに発電していない。かといってオルタネーターだとも思いにくい。どこに原因が???

北のボ日記 #7「バッテリーが死んだ! エンジンも死んだ!」

一応はオルタネーターが原因という可能性も考えました。

でも、地元の整備工場では新品だろうとリビルドだろうと手配ができないし、ディーラーで純正パーツ「一声20万」というのも避けたい。

そこで見つけた「パルカ」というネットショップが、これからお世話になるガレージ「テックプラス」の別チャンネルだったご縁で、今回の修理をお願いすることになりました。

テックプラス
s-hokusyo.com/modules/techplus

入庫すると、先方はボルボを扱う経験が豊富なこともあって、問題はすぐに突き止められます。原因はオルタネーター(以下、オルタ)ではなく、オルタの「プーリー」にあったのです。また、2年ほど前にも似た症状のS80が入庫していたことも、トラブルシューティングの助けになったようです。

ボルボ S80 連続でバッテリー上がり
s-hokusyo.com/modules/techplus/article.php?p=770

「S80 3.2」のエンジンは横置き6気筒ということもあって補器類のレイアウトが特殊で、インテークマニフォールドを外すと、オルタが幅の広いVベルトでエンジン側のプーリーと繋がれています。

オルタ側のプーリーには、エンジンの回転が落ちようとするときにフリーになるクラッチが内蔵されているのですが、それが錆びて固着してたんですね。

空転しなくなったことでエンジン側のプーリーボルトが緩んで空転。発電量がゼロになってバッテリーは空っぽに──というのが今回の顛末です。

このプーリーは消耗品でオルタと同時交換するべきものです。でも、前々オーナーは交換時にそこをスルーしてたんですね。バッテリーのサイズ違い然り、前々オーナーは鬼門?

そして、年末年始に二週間も不動で放置していたので、マイナス25度(!)の厳寒でバッテリー液が凍結していました! これは工場の事務所の常温で解凍してもらって事なきを得たのですが、なんだかごめんなさいごめんなさい……。

そして、最後まで原因不明だったのは、閉まらなくなったドアの方でした。

3人がかりで大ごとになってると思ったら、まずはガラスを外す必要があるんですね。

きれいにバラされたドア、太いサイドインパクトビームが筋交に入っているんですが、オーディオ的には作りが薄かったです(というのは閑話休題)

どうも、温度が低くなると閉まらなくなるらしいのですが、再現性がありません。だとすると原因はアクチュエーターだとしか思えない。

「中古のパーツで使えそうなのがネットオークションに出てましたよ」

主治医エム氏、やさしい……早速落札して、テックプラス宛に届けてもらいます。ちなみにこのパーツ、Bピラーまでは基本的に同じ構造のワゴン、V70のものでしたが問題なく取り付けられて、動作してくれました。

そしてこの機会に、気になっていたところを整備します。まずは、ドロドロになってるだろうとは思ってたけれど、想像以上に酷い状態だったエアコンのフィルターの交換(例によって意地悪な場所で意地悪な方向に取り付けられているわけですが)

それから、絶対にダメだろこれ! と思っていたエンジンオイルの交換です。

何がダメかというと、メーカーの指定がSAE 0W-30のところに、10W-40が入っていたんです。マイナス30度以下にも対応している0W-30に比べたら、これはどう考えても硬い。案の定、朝一番の硬質なノイズも、回らなさも、発進や中間加速のモタつき、ギクシャクした挙動も、0W-40への交換で全て解消されました。しかし、半年5千キロで下抜きしたオイルに、目に見える劣化はありませんでした。粘度が合わないというのは怖いな、と今さら再発見させられたわけです。

でも、このエンジン、相当に神経質なようですね。先が思い遣られますが、今は考えないことにしておきましょう(嘆息も長くなります)

著者紹介
淺川覚一朗
じつは旧「NAVI」当時から隅っこで描き続けている古株。「Moto NAVI」では「バリ伝」「ララバイ」のストーリーボードを書いたり、現在は書評「Moto Obi」を連載中。ライター稼業の一方で、北海道美唄市の「地域おこし協力隊」として業務委託を受け、同市の“役場の人”として街おこしに取り組んだり、観光情報を発信中。