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北のボ日記 #7「バッテリーが死んだ! エンジンも死んだ!」

半年におよぶボルボS80との楽しい(?)毎日。
しかし、これまでに明かしてこなかったいろ~んな出来事を、
ダイジェストでいくつかご紹介しましょう!

文と写真/淺川覚一朗

さて、ひょんなことから始まったボルボS80との生活も、半年以上が経ったわけですが、今まで書いていなかったことも“色々たくさん”ありました、というか、あり過ぎました。

これまで、スタッドレスタイヤのロードテストのために、厳寒のオホーツクに流氷を見に行ったり──
北のボ日記 #3「北海道のブリヂストン神話、そしてミシュラン」

ドライ路面がほとんどになってから、函館に美味しいものを食べに行ったり──
北のボ日記 #5「南へ走れ、ドライの道を!」

──と、北海道を南北に走りまわってきたわけですが、それもこれも「大きな憂鬱」が解消されてからのことだった、というお話です。

時間を、北海道がまだまだ白い雪に覆われていた頃に戻します。あ、これはニセコの山の上じゃないですよ。我が街美唄の飲食店の駐車場です。

北のボ日記 #6「カリフォルニアベイビー」と、北へ還れ!

兆しは、メータークラスタのインフォメーションでした。「ヘッドライト コショウ」

そしてセンターコンソールのアクティブライト(ロービームがステアリングに連動して左右に動く機能)のスイッチも点滅のエラー表示になっている。

でも、別段なんにも起こってないわけです。「あ、これって」と、ピンときました。

前に乗っていたBMW(E46/5)でもしばらく悩まされたのですが、ABSもDSCもミッションも……何処もなんともないのに警告灯だけが出たり消えたりすることがありました。これ、原因は電圧の低下だったんですね。電圧がドロップしたことで、電気系の警告灯が“まだらボケ”の狼少年みたいになってしまった。

今回も思い当たる節があったわけです。このクルマが手元に来てから、一通りのチェックはしていましたが、バッテリーが3年半も未交換だったんですね。この冬を越せるかどうかの心配は、こうして現実になりました。

もうすぐ15年10万キロの個体だけれど、前々オーナーがオルタネーター交換を済ませているので、そこが原因とは考えにくい。でも、近所でバッテリーを買おうと思っても、ボッシュのものでもなかなか手に入らないわけです。近所の何軒かのイエローハットは全滅。札幌のスーパーオートバックスは全道の店舗を検索してくれたけど、何処にも無い。

こういうとき、地方のエンスーの味方は結局はアマゾンや楽天ってことになっちゃうわけですね。

そして今さら気づかされるわけです、バッテリー、純正よりワンサイズ大きいのが載ってました。それを無理やり突っ込んでたから、バッテリーケースがガバガバに歪んでる(でも、見なかったことにします)

ともあれ、新しいバッテリーでエンジンも勢いよくかかるようになったし、アイドリングも安定しました。しかし! その日のうちに! 無情にもエンジンが突然止まってしまうのです、それも走行中に!(JAF積載車で運搬:1度目)

これって、やっぱりオルタネーターってこと? こうなるともう僕のレベルではわかりません。とにかく発電していないこと以外は。

そしてそこから、悲劇が矢継ぎ早にやってきます。

まず、もうすぐクリスマスの年末とあって、工場に空きがありません。

そして、クルマが無いと生きていけない“試される大地 北海道”ですから、ここはもうすぐにレンタカーを調達しましたが、困るのはボルボの置き場所です。我が家に保管場所は一台分しかありません。ここは連載第一回にも登場した我が師ニッキーに泣きつき、ガレージを空けてもらうことにしました(JAF積載車で運搬:2度目)
北のボ日記 #1「インチアップに耐えられなかったアジアンタイヤの話」

さらにそのとき、なぜだか運転席のドアが閉まらなくなったのでガムテープで止めたんですけどね、そんなのは“些細なこと”です(泣)

S80は正月の休み明け、やっと工場に運ばれていきました。(保険のロードサービスを呼んだけど来たのはJAF:3度目)

そしてこれが、札幌の隣、江別市の輸入車ガレージ「テックプラス」と、我が主治医エム氏との“終わらない”お付き合いの始まりになったわけです。

代車は同じボルボのC30でした。ツーリングカーレースでも活躍した、骨太で素生の良いシャシーのいいクルマです。

ところが、高速道路のインターチェンジを下りたところで、道道(北海“道”の道だから「道道」)に出る交差点の赤信号がいつまでもずっと変わりません。3分、5分……10分まで待って、110番に電話しました。
「僕は移動してもいいのでしょうか?」
「私から『良い』とは言えません」
……はい、そうでしょうとも。

電話を切った僕が、とりあえずクルマを降りて、記念撮影をしたのがこの一枚です。

いや、色々悪いことは、これで終わってほしいものですけれど(もちろんそんな願いはかないません。それはもう、決して)

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北のボ日記 #6「カリフォルニアベイビー」と、北へ還れ!

著者紹介
淺川覚一朗
じつは旧「NAVI」当時から隅っこで描き続けている古株。「Moto NAVI」では「バリ伝」「ララバイ」のストーリーボードを書いたり、現在は書評「Moto Obi」を連載中。ライター稼業の一方で、北海道美唄市の「地域おこし協力隊」として業務委託を受け、同市の“役場の人”として街おこしに取り組んだり、観光情報を発信中。