人生初のバイクは電動でした（←令和っぽい）

静岡県と神奈川県の県境にあるライダー向けスポット、バイカーズパラダイス南箱根。首都圏はもちろん、中部地方のライダーにとってもツーリングスポットとして名高い「箱根」の地の一角に、電動バイクの試乗ができる「e-TRAIL PARK 南箱根」はある。ここの見どころはズバリ、二輪免許不要で試乗できること。それもそのはず、敷地内は私有地であって公道ではない。16歳以上であれば誰でも試乗できるので、非ライダーであっても楽しめる施設なのだ。

そこで、本当に“ガチ”初心者でも不安なく楽しめるのか、バイクに乗ったことすらない女性に協力してもらって検証することにした。

挑戦するのは東京都在住の会社員、シバタユミカさん。バイクに興味があり、免許は取りたいが、仕事との兼ね合いで取得には至っていない。クルマの免許は持っているが、たまにレンタカーに乗る程度。普段は電車で移動するごく一般的な都民である。

シバタさんを伴い、まずは試乗時のルールや車両の仕組みを映像＋施設スタッフの説明で学んだのち、各種プロテクターを装備。それを機に彼女の緊張が高まったのが伝わってくる。
軽くストレッチして、まずは車両のフィッティング。サーロンのライトビーS（エントリーモデル）とライトビーX（スタンダードモデル）の2車種が用意されているが、二輪免許を持たない彼女は本人の希望もあってSに乗ることになった。なお、ふだんバイクに乗っているライダーや、免許を持っていなくても体格がいい（体重がある）人にはXを勧めるそう。なので、同行したモトナビ編集部のヒゴシ（大型二輪免許所有＆体重0.09t）は、Xをお借りした。

まずはシバタさん、電動バイクを動かすところから練習開始。わずかにアクセルを開けて車体を前進させる。「お～！ 動いた！」と思わず声が出る。
リミッターはかかっているが、レスポンスがいいので注意はしたい。インストラクターについてゆっくり円を描くように走っている彼女を見ていると、ふらつくことはあっても大丈夫そうではあるのだが……。

1時間後。結果的に一度も転ぶことなく、気がつけばスタンディングで障害物を乗り越えられるまでに成長していた。インストラクター曰く、バイク自体初めてなのにここまで乗れるようになるのは珍しいとのこと。シバタさんも、「最初はちょっと怖かったですけど、すぐ慣れました。実家が田舎なので、舗装されてない道を自転車で学校に通っていたからですかね（笑）」と、笑顔で答えてくれた。

ちなみにふだんバイクには乗っているものの、オフロード走行の経験がほとんどない編集部ヒゴシも、一度も転倒することなく、心底楽しんだことを付け加えておきたい。電動バイクでオフロードコースを走るなんて、非ライダーはもちろん、オンロード派のライダーにとっても新鮮な体験となるのは間違いない。

なお、神奈川県海老名市のイオン海老名店には、屋内型の同施設「e-TRAIL PARK海老名」があるので、アクセスを考えるとそちらのほうがより気軽に楽しめる。ただ、敷地面積の関係で海老名はややテクニカルなコースとなっており、南箱根のほうが屋外ということも相まって、より気持ちがいいとのことだ。味付けの違う南箱根と海老名。柴田さんにはぜひ海老名も体験してもらい、ビギナーのリアルな感想を聞かせてほしい。

e-TRAIL PARK 南箱根

バイカーズパラダイス南箱根のメインとなる建物のすぐ横、イベント時などに使われていた未舗装のエリアに登場。土の上にウッドチップを敷くことで、天然のクッションが広がる1周300mほどのコースには、パンプトラックやコーナーバンクス、パレットトレイル、ドロップオフ、スラローム、立体一本橋、そして立体交差などの障害物＆アトラクションが点在し、そこを制限速度時速8km/hで駆け抜ける（実際に走ると、数字ほどゆっくり感じないのが不思議）。

16歳以上であれば誰でも試乗でき（高校生は親権者の同意が必要）、私有地なので二輪免許は必要なし。クラッチ操作がない電動バイクなので、操作するのはアクセルとブレーキのみという手軽さだ。転倒時など、ハンドルから左手が離れるような事態の際には、車両の電源が落ちる安全装置（マグネット式のキルスイッチ）もあるので思う存分転んでほしい。
料金は初回4,950円（初回講習＋インストラクター同行のコース走行。約60分でバイクレンタル料金を含む）。プロテクターの貸出もあり（330円～）。
hakone.etrailpark.com