フランスと日本を花のある空間でつなげる
フラワースタイリスト
文/高梨達徳(Moto NAVI) 写真/菊地晶太
たくさんの花を積んだ青いスズキ・スイフト。そのクルマを運転している守屋百合香さんは、一体どんな仕事をしているんだろう?
「元々はフランスの映画や文学が好きで、大学でも仏文学科に通っていました。花に触れたのは、社会人になる少し前のこと。フラワーアレンジメントをやっていて、花の写真を色々と検索している時に、パリにあるローズバッド・フルリストの作品に出会ったんです」
守屋百合香さんは、日本とフランスのパリを拠点に活動されているフラワースタイリスト。雑誌やカタログといった商業撮影に使用する花のスタイリングや、イベントやレセプションパーティーで空間を彩る装花を手がけている。
「ローズバッドはフランスにあるフローリスト(花屋)で、その作品にすごく感動してこの道に進むことを決めました」
まずは、日本でアシスタントとして働き、花の仕事を勉強し渡仏。ローズバッドで研修を受けた。そんなとき、タイミングよく少し変わった話が守屋さんに届く。
「研修が終わるタイミングで、現地の人気のインテリアショップが日本人スタッフを募集していて、そこで働けることになりました。元々空間装飾にも興味があり、お気に入りの店だったのですごく嬉しかったです」
スタッフとして働いていると、次第にレストランの空間装花やブライダルブーケの製作など、花に関する仕事を個人的に受けることが増え、独立することになった。
「日本では装花だけではなく、ワークショップも開催しています。生花市場で買い付けた花や空間を彩る花瓶などを会場に搬入するので、クルマがないなんて考えられません」
この仕事を始めてからクルマに乗り始めたという守屋さん。現在乗っているのはスズキ・スイフトだ。
「最初は母に運転してもらっていましたが、仕事が増えてきたので自分でも運転するようになりました。大きな仕事では、搬入する花が多く、大きなバンを借りなければならないほどになるので、そろそろ荷室の広いクルマの購入も検討しなきゃとは思っています」
ワークショップの会場では、守屋さんがセレクトした花瓶や、台湾などで見つけてきた雑貨などが販売されている。特に花瓶は、コペンハーゲンで作られたものや、パリで見つけたビンテージアイテムまで、様々な種類が並べられている。
「個人的に花瓶がすごく好きなんです。その花をより生かすためにとても大事なものだと思っていますので、こだわりを持ってセレクトしています。次に選ぶクルマも、そういう雰囲気で選べればいいと思っています」
華道に流派があるように、イギリスのガーデニング、ドイツでは技巧派といった国民性がわかりやすく花との暮らしに現れている。フランスでは、特別な日だけではなく、日常的に花を購入する人を目にするそう。
ワークショップが開かれている会場は、守屋さんが創り上げた花に囲まれた空間が広がっている。この日は飾られたものを使ってフラワーレッスンが行われていた。生花だけではなく、花瓶なども実際に販売されている。
守屋さんの愛車はスズキ・スイフト。大きな花を買い付ける事もあるので、もう少し大きなクルマに買い換えるか検討しているそうだ。