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2016.04.20

TALK about BICYCLE and LIFE Part.2

世界を“漕いだ”二人が語る-自転車旅が、僕らに与えてくれたもの

世界をの92 ヵ国を自転車で旅して、その様子を多く著書で綴ってきた、旅行作家の石田ゆうすけさん、モデルとライターの仕事を続けながら、東南アジアと南米を自転車で走破した山下晃和さん。

そんなお二人に旅での体験や、自転車を旅のツールに選んだ理由を伺いました。

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フロンティアを目指す旅に自転車は最高のツール

―お二人が、自転車で旅をするようになったキッカケは何ですか?

山下 旅に興味を持ったのは、大学時代ですね。外国語の大学に通っていたので、海外に行くのが当たり前の環境で。僕も短期留学したり、バックパッカーもやりました。でも旅のツールとしては、自転車よりオートバイに先に出会ってるんですよ。19歳で免許を取ってから、あちこちにツーリングしに行ってましたね。

―それがなぜ、自転車旅に?

山下 自転車旅の方が、輸送費から宿泊費からすべてにおいて、安くできると思ったんです。結果、距離が稼げない自転車旅の方が、全然高くつくと知るんですけど(笑)。自転車で3日かけて進む距離を、オートバイは1日だから、宿代が全然違う。

石田 ガソリン代入れても安いの?

山下 それでもオートバイの方が全然安いです。自転車は体力もつらいし、水も食料も必要。オートバイみたいに食べずに乗るができないし。

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石田 単純なことだけど、あらためて考えるとそうだよね。僕が自転車旅をするようになった理由は2つ。まず出身の和歌山には、本州最南端の潮岬があって、自転車旅ではわりと定番の場所なんです。だから子供の頃から、前後に4つの荷物をつけた自転車をよく見かけたんですね。寝袋持参で、景色のいいところで寝て、朝になったらまた好きな場所に向かってペダルを漕ぐ。そういう旅人の姿が、自由の象徴として自分の中に刻み込まれている。もう一つは渓流釣りが好きだから、良い釣り場を求めて自転車で走るようになったんです。夜中の2時くらいから、友達5人くらいでワーワー言いながらママチャリで出かけてましたね。

山下 いくつくらいの時ですか?

石田 中学生。で、釣りのたびに結構な距離を走ってるなと思って、地図上で測ったら、1日100kmくらい走ってた(笑)。それだけ走れるなら、約500kmの和歌山一周も「行ける」となって、友達と計画を立てたんですね。だけど出発前日に、そいつが行けなくなったと言い出して。しかも理由が、「オカンに方角が悪いと言われた」って(笑)。ブチキレて、じゃあ一人で行ってやるよと。まだ15歳で怖かったけど、ヤケで出発したんです。そこで初めて、ルートから休憩のタイミングから、すべて一人で決める自転車旅の自由さを知りました。しかも、一人で走り始めた途端、いろんな人に話しかけられるようになって。15歳の世界観とか人間関係なんて、すごく狭いじゃないですか。それが、自転車のおかげで一気に広がったんですね。

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山下 自転車旅って、強制的に人とコミュニケーションを取る状況になりますよね。ガイドブックには載らない場所を通るから、ホテルや食事の場所も、現地の人に聞かなきゃわかんない。石田さんが仰るとおり、話しかけてくれる人も多いし、そのコミュニケーションの面白さは、自転車旅でしか味わえないと思います。バックパッカーなら、自分で電車やバスで観たい場所にすぐに行けるけど、自転車はその場所まで、1日でも2日でも自分で走らないと観られない(笑)。僕は結構チキンなので、本来は情報が何もないと怖いタイプですけど、自転車旅は、知らない場所で、知らない人に話しかけるところから始まるから、そのチャレンジは面白かったですね。

石田 いまは情報がすぐ手に入るし、人の旅をなぞっていく人が多いような……。でも自転車は、自分で開拓していかないと進めない部分が多いから、冒険のツールとしては、うってつけだと思う。1ヵ月ほど前も、キューバに自転車で行ったんですけど、すごく期待してハバナに着いたのに、自分のテンションが上がってこなくて。さすが首都だから、見どころも多くて楽しい町なんだけど、期待ほどではない。せっかく来たのに、これはヤバいなと思ってたんですが、自転車で走り始めたら新しい発見と感動だらけで、一気にテンションが上がりました。久しぶりに自転車旅行の良さを感じたし、観光客が来なくて情報がないくらいの場所のほうがやっぱり面白いなと。

山下 結局、逆境を行くときが一番面白いんですよね。

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自転車トラベラーにもお国柄がある?

―旅の間は、自転車で世界を走る者同士の交流も多いんですか?

石田 そうですね。会えばたいていお互いハイテンションになって情報交換しますね。でも日本人のチャリダーは、おとなしい人が多いかも。

山下 たしかに。開放的な人より、自分自身と向き合ってる人の方が多いです。長期間、自転車旅に出るって、日本人にはかなりハードル高いじゃないですか。アメリカ人とか、自転車で旅する人に「お前、すごいな」とか言ってくれそうだけど、日本で海外に半年行くなんて言ったら、まず「大丈夫なの?」と言われる(笑)。だから旅人側も、後ろめたいような気持ちとやる気が混ざったとこからスタートするんですよ。そのせいもあるのか、わりと「一人にしてくれ」タイプが多いかもしれない。僕、以前グアテマラからエルサルバドルまで一緒に走ったお友達がいたんですけど、エルサルバドルの首都で「ごめん、俺ちょっと一人で走りたい」と言われて(笑)。マジかよ、早く言ってよ〜って思いました。今でも仲の良い友達だけど、結構考えこむ無口なタイプだから、僕がベラベラ話しかける中、一緒に走るのに疲れちゃったみたい。

石田 欧米人と日本人て、自転車旅行に対する向き合い方がちょっと違うよね。欧米人はレジャーというか、アウトドアを楽しんでるという感じだけど、日本人は自己鍛錬的な求道心みたいなのがある。僕、一番ビックリしたのは、アメリカ大陸を縦断してたカナダ人ですね。彼は、南米大陸の最南端まであともう少しのところで、「飽きたから、ここで帰る」と言い出して。あと500kmも走れば最南端なのに、「ここで帰るの!?」と思った(笑)。

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旅行作家/石田ゆうすけ
1969年和歌山生まれ。旅行作家。大手食品会社のサラリーマンから、自転車で世界を巡る“チャリダー”に転身。7年半かけて世界9万5000kmを走破した自転車旅の模様を綴った処女作「行かずに死ねるか!」がベストセラーに。旅や食にまつわる著書多数。「夢」「相互理解」「食」などをテーマに全国各地で講演も行っている。

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モデル・ライター/山下晃和
1980年東京都生まれ。モデルとしてファッション、オートバイ、自転車など幅広いジャンルで活躍。アウトドア、語学、スポーツ、筋トレなど多岐に渡る趣味・特技を武器に、トラベルライターとして雑誌やWebに寄稿する。“旅”をライフワークに、豊富な海外サイクリング経験、国内外のオートバイツーリング経験を持つ。これまで訪れた国は38ヵ国。

text_Haruko Saito
photo_Ken Takayanagi

→安田大サーカス・団長安田と小島よしおが語る-「自転車ネタやって!」なんて、 ムチャぶりでしょ(笑)

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